文房具とアナログガジェットを愛する革小物屋「工房Q」
About Kobo-Q【「工房Q」とは】
ごあいさつ
工房Qにご訪問いただき、ありがとうございます。
工房Qは物好きな工房主が運営している革製品の個人工房です。レザークラフト歴は30年になります。
大学生の時に欲しいペンケースが市販品に見当たらず、見よう見まねで作ったのが始まりでした。当時、参考書は殆どなく、あってもレザーカービングの指南書だけという時代でした。教室もママさん向けのカービング教室があるだけでした。
私は装飾技術より、製品のフォルムというか形作りに興味があったので、試行錯誤しながら我流で取り組み、コツコツと作り続けてきました。
自分のものだけでなく、人が「市販品に見当たらない」と要望するものを作るのが好きで、込み入ったオーダーであればあるほどやりがいを感じるため、作ってきたのは変わったものばかりです。
例えば
・六角柱型のアコーディオンのような楽器「コンサーティナ」のケース
・ポストイットと小さなペンがついた携帯電話ケース
・搭乗チケットを見える形で収納できるパスポートケース
・ハサミやクリップからノコギリまで小道具を満載したシステム手帳
・すべて片手で貨幣の出し入れが可能なショッピング用ウエストバッグ
・男物の着物に似合う和風な手提げカバン
・和風革財布
・背広の内ポケットに入れたとき、手触りだけで表裏がわかる両面定期入れ
などなど。
基本、どこにも売ってないものです。「売ってないから作る」という姿勢でした。
人から制作を頼まれたときも、他で売っていないことを調べたりしてから注文を受けるようにしていました。似たようなものを見つけたら、「他にこういうのもありますがいいですか?」って確認することもありました。
それだけ機能や仕組みのオリジナリティを重視しています。
最初は面識のある人からの依頼で作っていたのですが、そのうち面識のない人からも依頼がくるようになり、いっそのことニーズに対応できるビジネスにしようと立ち上げたのが当工房です。
正統な職人さんを尊敬し、あこがれつつも、先生となる人についた修行はしておりません。
正式な美術教育を受けていない人のアートをアウトサイダー・アートといいますが、私のはアウトサイダー・プロダクトだと思っています。
アウトサイダー・アートに正統派アートとは違う面白さがあるように、アウトサイダー・プロダクトにも正統派プロダクトとは違う面白さがあるはずです。
そういうものに面白みを感じる人のオーダーをお待ちしております。
工房Qの名前の由来
工房Qの「Q」の意味は久保田の「
「Q」と「久」って、文字のフォルムも何となく似ているようにも思っています。
「Q」は、アルファベットの中で頭文字となる単語が少ないことから、「希少なもの(量産品ではない)」を作るという姿勢を現しています。
また、ちょっと変わった製品を出して世の中に問いかけるという意味で Question。
そして、品質の良いものをお届けしたいという意味で Quality。
そんなことを意識したモノ作りをしていこうという名前です。
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モノづくりに臨む姿勢
<オリジナリティ>
前述したように、オリジナリティのあるモノづくりにこだわっています。
オリジナリティの方向性は機能(ファンクション)重視です。装飾も必要に応じていたしますが、装飾によるオリジナリティより、機能または機能の組み合わせのオリジナリティの方を重視しております。
<希少性・面白さ>
オリジナリティとも絡むポイントになりますが、どこにでもあるものではない希少性こそが面白いと考えております。
ですから、ニッチなニーズが大好きです。大量のニーズがないものだからこそハンドメイドに意味が出てきます。もし、たくさん売れて一般化しそうな気配が出てきたら、その製品のハンドメイドはやめて、量産できるどこかのメーカーに委託生産してもらうくらいのつもりです。
大量生産ではない製品であるということは、持ち主のオリジナリティも守ることにつながるように思っています。逆に、需要がかなり大きくなるのであれば、世間からオリジナリティよりも一般化が求められていると判断します。そうなったらそうなったで面白いのですけどね。
参考エントリ:100年後の蚤の市で並ぶモノ
<シンプル>
目立つ装飾で存在を主張しようという製品ではありません。「シンプルなのに他では見かけない」「どこかにありそうなのに探してみてもこういうものはない」というようなものが出来たとき、喜びを感じております。イメージをことわざで表すと「能ある鷹は爪を隠す」です。
ただし、例外的に、奇抜であること自体が機能であるというような用途のもの(つまり必然的に目立つ必要があるもの)の場合はシンプルさとは真逆のものを作ります。
参考エントリ:「能ある鷹は爪を隠す」というコンセプト
<丈夫>
長い間使ってもらうことを意識しています。革というのは経年変化が楽しめる素材だからです。だから、手縫いを基本にしています。手縫いの方がミシン縫いより丈夫で、ミシンではできない構造のものも手縫いなら可能な場合もあります。自家用で自分が使用しているものは20年選手もざらです。
ステッチのある製品の説明で特に「ミシン縫い」という記述がないものはすべて手縫いです。
<素材>
革という素材を総体的に気に入っております。基本、タンニンなめしのヌメ革を使用いたしますが、面白い革は世の中にいろいろ存在し、新製品も出ています。いい素材があれば適宜取り入れます。また、ひょんなことで入手できた素材を使うこともあります。その場合は数量限定品になります。
<時間>
工房Qは一人でコツコツ、コツコツとモノ作りしています。いろいろな方々の協力も得ていますが、スピードの速さには限界があります。
「どこよりも早くお届けします」なんて宣言することはできません。
それならば逆に、時間をかけることを楽しんでもらおう、という姿勢で取り組んでいます。
モノを探すとき、注文するとき、到着を待つとき、届いた品を見たとき、そして、それを使うとき、エイジングしていくとき、それぞれの時間を楽しんでほしいと思っています。
時間を楽しむために、機械的なやりとりではなく、人間味のあるやりとりをしたいと思います。どうぞ、お茶でも飲みながら、ゆっくりとした気分でおつきあいください。
参考エントリ:「工房Q」内のコンテンツについて(目次がわりに)