ペンケースのリフィルがついたダブルリング式ノート
新まかない文具
2015.12.03【モノモノしい話:文具編, 工房だより】 Comment (0) - Trackback (0)
来年以降のノート・手帳類の母艦にして最前線で働く「新まかないノート」が完成しました。
自家用なのでいろいろな試みを実験的(冒険的?)に取り入れております。
初代まかないノートについてはコチラを参照のほど。
ベースは初代まかないノートと同じく、リヒトラブのツイストノートです(最近はツイストリングノートからツイストノートと呼び名を変えているもよう)。
革工房のまかないですから、これに革製の表紙リフィルを制作して合わせるわけです。
そして今回、リフィルといっても普通の表紙リフィルではありません。
ペンケースになったリフィルです。
最近ではノートに外付けできるゴムベルト付きのペンケースが各種製品化されておりますが、
「ツイストノートの場合はリフィルの差し替えができるのだから、表紙リフィルとペンケースを一体化してしまえばいいよね」
というアイデアを以前からあたためており、それを実行に移しました。
このアイデアを現実化するにあたって、課題がいくつかありました。
まず、外付けペンケース式でノート用のペンを格納するとペンの出し入れに手間がかかるということです。
「ペンケースを開けてペンを取り出し、またペンケースを閉じる」または「ペンケースを取り外してペンケースを開けてペンを取り出す」という手間です。機動力に難あり、です。
この課題をクリアするために、1本だけ外側から出し入れできるペンホルダーをつけました。
ペンホルダーはペンの大半を覆い隠すようにしてあるのでぶらぶらしません。ペンクリップがあたる部分は表面が傷つきにくい革を使用しております。
このペンホルダーがついたリフィルはペンケースの「かぶせ」となり、その下にペンケース本体のリフィルがあるという構成です。
すばやい動作が必要なメモをとるときはペンホルダーからさっとペンを取り出せるようにしておき、取り出す速さはさほど重要ではない文具類はペンケース内に格納しておきます。
かぶせを開けると格納した文具類が取り出せますが、さらに一工夫。
ペンケース本体はホックをはずすと全開するようになっております。当工房の「フルオープンペンケース」と同じようにペントレー的に使えます。
ここまで解説すると、頭のいい方はそろそろ気づくでしょう。
「こんな厚いペンケースが付いていたらノートが使いにくいだろう」
ということに。
実はそれが最大の課題でした。
ペンケースをノートの表か裏に装着したままでは、デスクに置いたとき、装着した側のページがペンケース分だけ浮き上がって書き込みにくくなってしまいます。
もちろん、ツイストノートですから取り外して使うことはできます。ただ、取り外すのはわざわざペンホルダーを外側に付けて確保した機動性を台無しにします。なんとしてでもクリアしたい課題です。
でアタマをひねって考えまして、その対策もばっちりです。
工房Q考案の「ダブリフィル」が活躍します。
ダブリフィルとは以前ツイストノートメモ用に思いつきで製作したもので、リングを通す(綴じる)穴が両側にあるリフィルです。ファイル用の硬い紙で作ります。(詳しくはダブリフィルのエントリをご参照のほど)
メモ用としてダブリフィルを作った時はどのように活用できるか良いアイデアが浮かびませんでしたが、今回ちゃんと生かされました。アイデアはとりあえず形にしておくものですね。
さて、このダブリフィルがどんな活躍をするかというとこうなります↓。
2つのとじ具でジャバラのように折りたたまれたノートとペンケースが横に広がって、互いに重なることなく普通にノートとして使えるわけです。
ダブルリング式にしたことで、多様なリフィル配置が可能となっています。
右側のリングにリフィルをつけるのが標準のセットになります。
左側のリングにもつけられますし、その場合はノートを立てても使えます。
ノートの中紙はダイアリー、横罫、方眼、無地。そしてポケットリフィル。自由にリフィルを差し替えられるツイストノートの長所を最大限に生かします。
スケジュール、打ち合わせの議事録、アイデアスケッチ、備忘録、メモ...など、異種案件を1リフィル内に共存しないように書き込めば、後で取り外して分類することで情報整理も簡単です。
ダイアリーはこのノート↓を分解・改造して製作しました。
この黒とネイビーの配色は、先日お客様のスペシャルオーダーで作ったカスタマイズシステムジョッターで気に入りまして採用させていただきました。
新まかないノートを作ってみて思ったのは、ペンケースの容量がちょっと大きいかなってこと。
このノートに使う分だけの文具類を格納するのだったら、私の場合、ここまで大きくなくともよいです。
だから、ノートを持ち運ぶというより、むしろペンケースを持ち歩くイメージでペン、文具類をいれてバッグに収納するほうがしっくりくるかもしれません。
ちなみに、ペン・文具以外のものでも入れられます。
「文庫本+タブレット菓子+キー」とか「スマホ+コインケース+キー」などなど。
バッグに入れないで、これごとクラッチバッグ的に持ち歩くという使い方もできることに気づきました。
自家用なので好き勝手に作り、これからフィールドテストというわけです。
<新まかないノートのパーツ一式>
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