ネーミングをめぐる冒険
2012.11.21【工房だより, 雑記】 Comment (0) - Trackback (0)
自分はモノづくりが好きなので、こうした仕事をしているのですが、モノに限らず、作ること全般に興味があり、ワクワクする性質(たち)です。
モノではないもので作って楽しいことの一つ。それは商品の名前を作ること。
いわゆるネーミングです。
商品名やキャッチコピーを考えるコピーライターという職業があります。自分も機会があったらコピーライターのように世に出回る商品に名前をつける体験をしてみたいという願望がありました。ただしそんな機会はそうそう巡ってくるものではありません。
自分が趣味からモノ作りを始め、最初のうちは作品名を付けようなんてあまり考えていなかったのですが、人に頼まれてモノ作りして、同じようなモノを複数作るような体験をしはじめ、「あれっ、これって作品というより製品だよね」って感じ、
「作品名なら別に無くてもいいけど、製品ならば製品名がほしいなあ」となり、「そうか、以前からちょっとやってみたかったコピーライターっぽい仕事を思う存分楽しめるじゃん」って思って楽しくなってしまいました。あたりまえですが、自分が作ったモノであるならば、そのモノに自分で名前を付けるのは自由です。
言葉というものは、理論上はどのようなものでも作れます。特に日本語は多様な表現手段があって、とても自由です。
モノを作る場合、目の前にある材料からしか作ることはできないのですが、ネーミングの場合は、言葉という、膨大で果てしない資源をいくらでも自由に使うことができるんです。
言葉の海で好きなように遊ぶイメージです。
言葉という海はあまりに広いので、どこに行けばよいのやら迷ってしまうこともあります。それでも、言葉を探すうちに思わぬ拾い物に巡りあったりして、それはそれで面白いです。
私は自分が作った製品に名前を付ける作業をそうやって楽しんでいます。
「自分にもっと表現技術があれば、もっと素晴らしい名前が付けられるのに」とジタバタしながら考えます。
そうかと思えば、製品を作っている最中に、突然「これだ」ってひらめくこともあります。
例えば、makimo-noteがそれです。作っている最中に「これって巻物っぽい」って感じて「ノートが巻物か、じゃ、マキモノートでいける!」って流れで決まりました。
ダジャレっぽいのが多いのはきっと文具好きだからでしょう。文具の世界はダジャレ的ネーミングが異常に多い分野ですから。
広く世の中に流通させようともくろむ製品ならば、言葉の感覚に優れたプロのコピーライターに任せるべきだと思います。だけど、工房Qはどちらかというと不特定「少」数をターゲットにしたハンドメイド製品を作っていますから、手作り感のあるネーミングでいいかなって思っています。
このネーミングの楽しさ、コピーライター体験の機会を工房Qのお客様にも味わってほしいって思い、フルオーダーを希望するお客様に、出来上がる製品のネーミングライツ(命名権)を提供しています。
フルオーダーってどうしてもお高くなってしまいますので、楽しめるだけ楽しめるようにしたいって考えなんです。(詳しくはプロジェクトD2をご覧ください)
名前なんてどうでもいいというお客様もいると思いますので、その場合は工房Qで名前をつけますが、ちょっと興味があるお客様はぜひとも体験してみてください。面白いですよ、ネーミングという作業は。
自分でも気に入っている(自己満足している)ネーミング
「ノートの皮をかぶったノート」
「ペンスーツ」
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