「売れないモノ」づくりへのあこがれ?
それを欲しがる人はきっと面白い人

2013.11.10工房だより, 雑記Comment (0) - Trackback (0)

自分が作ったモノが売れると、とてもうれしいです。
ただ、へんな言い方になりますが「『売れないモノ』づくりもいいよなあ」って思っていたりします。

「売れない」という言葉は、使われる場面でいろいろな意味を持ちます。

 マニア向けで売れ筋にはならない、という意味での「売れない」
 特定の目的用に作ったモノだから、広く一般的には「売れない」
 先端を行き過ぎて、利用する場面が少ないので「売れない」
 たくさん製造できないので「売れない」
 自家用で愛用しているので「売れない」
 店のシンボルなので「売れない」

上記のどの「売れない」にも興味があります。
自動車メーカーがモーターショーで公開するコンセプトカーなんてその時点で「売れない」けど、欲しいと思ったりしますよね。


売れ筋商品を作って売れるのはもちろん楽しいですが、売れ筋商品って、欲しい人にだいたい行きわたったとたんに、輝きを失います。
だから面白さが持続する期間は意外と短いです。

売れないモノって、大衆迎合的ではない何かがあって、その何かに売れ筋商品とは違う面白みがあります。
一般人の目には留まらないマイナーなもので、特定の人にとっては陳腐化しにくい、そういうモノは「売れないモノ」であっても面白い。
何かの拍子でそういうモノに遭遇すると私はワクワクしてしまいます。
だから自分が、そういうモノの仲間入りできる製品「も」作りたいなあって思うんです。
実際のところ、時折、売れるかどうかなんてまったく考えず、ただ作りたいという衝動で作る物があり、そうしたものを「実験的製品」として公開し、一部のものは販売しております。自分が欲しいと思ったのだから、全世界に何人かは欲しい人がいるんじゃないかという発想です。
1万人に1人でも欲しいと思う人がいたら、その人にはぜひ使ってみてもらいたいという思いがあります。
まさに売れ筋商品とは対極にある「売れないモノ」ですけれど、そういうものが欲しい人はきっと何かほかの人とは違う個性を持っているだろうと思うので、接点が出来たら面白いだろうなあって考えています。
何せ「実験的」ですから数に限りがあったり、販売期間を限定したりしていて、いつでも注文を受けられるようにはなっておりません。もしピンときたらまさに一期一会。注文しなくてもいいので感想メールください(笑)。

そして、実験的ゆえに、必要に応じて仕様を変えたりするのにあまり躊躇しません。
「ここをこう変えたらほしいかも」というようなご意見もいただけるとうれしいです。