古い文机から出てきた戦中(戦前?)の鉛筆
2014.07.24【モノモノしい話:文具編, 工房だより】 Comment (0) - Trackback (0)
最近知遇を得たあるマダムは、アンティーク好きで、古い箪笥などの骨董家具をいろいろと持っています。
先日挨拶に伺った時、それらの家具を動かして模様替えをしておりました。
重いのではないかと思い、「手伝いましょうか?」と声をかけたのですが、
「引き出しには何も入っていないから重くないのよ。大丈夫」という返事。
それでもマダムは私の訪問を機に作業の手を止め、しばしアンティークの話をしながら一服タイムとなりました。
話をするうちに、一つの文机に目が留まり、
「いいですねこれ」 「ね、いいでしょ」
なんて話になって、触らせてもらいました。
先ほど引き出しには何も入っていないと聞いていたので、気軽に引き出しを開けてみると、引き出しは空ではなく、使いかけの1本の鉛筆がありました。
「あれっ」と思って、手に取ってよく見ると、
「愛國孤児援護協會」
という文字が銀色で印刷されています。
「へーっ、これは昔の鉛筆ですね。面白い」と思わず食い入るように眺めていると、
「私には要らないものだから、よかったらどうぞ」とおっしゃってくれて、ありがたくいただいてきました。
家に持ち帰り、ネットで調べて見たのですが、この鉛筆の情報はほとんどありません。
ヤフオクに以前、同様の鉛筆が出品された形跡が見受けられましたが、詳細はわかりません。
おそらく、戦中か戦前、この鉛筆の売り上げの一部が戦災孤児の支援に回されたのではないでしょうか。
あるいは、この協会に寄付をするとこの鉛筆が配布されたのかもしれません。
タイムスリップしたような鉛筆、しげしげと眺めております。
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