革漉き用小刀のこと
日本の刃物はすばらしい
2013.10.15【工房だより, 雑記】 Comment (0) - Trackback (0)
レザークラフトではいろいろな道具を使います。
工房Qも様々な道具を使っていますが、せっかくなので、レザークラフト道具としても他では見かけないちょっと変わったものを紹介します。
素材としての革は一定の厚さをしていますが、製品に仕立てていく過程で革の一部を薄くしなければならないことがあります。革を薄くする作業を革漉き(すき)と言います。
通常は電動の革漉きミシンを使って薄くするのですが、細かなところや、革漉きミシンを使いにくい部分は手作業で革を漉くことになります。
手作業の革漉きでは、革包丁を使うのがオーソドックスなやり方です。
工房Qも以前は革包丁で革を漉いていましたが、今は独特な形の小刀を使うことが多いです。
切出し小刀と同じ鋼ですが、切出し小刀と違って刃の部分が弧を描いています。
この弧があることで革を薄くそぎ落としやすいのです。非常に使い勝手がよいので、愛用しています。
実は、この小刀はレザークラフト用に作られた道具ではありません。
切出し小刀を作る鍛冶屋さんが端材を使って作ったものです。何に使うかは使い手が考えればいい、という感じで売っていました。
端材であるがために、同じ形のものはありません。10種類くらい並んでいるのを見て、革漉きに使えそうな形のものを選んで購入しました。
切出し小刀と同じ材質なので研げば切れ味は保てます。
日本の刃物はすばらしい。
手に入れたのは5、6年前になりますが、いいものに巡り合えたと満足しています。
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