アトリエSAKIのこと

アトリエSAKIのこと
山の集落の中の不思議な空間

2014.10.03工房だより, 雑記】   Comment (0) - Trackback (0)

静岡市の中山間地は通称「オクシズ」と呼びます。
そのオクシズの中平という集落に素敵なアトリエがあります。
先日、古い文机から出てきた鉛筆の話を書きましたが、その文中のマダムが居る場所です。

そのマダムは横山さんといい、場所の名はアトリエSAKIといいます。
ご本人の了解をとってここで少し紹介させていたたきます。

横山さんは古い着物などの古布を使って造花を作ったり、山にあるつるを使ったかご、ドライフラワーなど様々なものを作る作家さんです。

その横山さんのセンスと稀有な立地があいまって、アトリエSAKIのロケーションはすばらしいものになっています。

アトリエSAKIがある中平という集落は、茶やしいたけ、わさびなどを育てる農家が主体の農村集落です。
安倍川沿いなのですが、ちょっと登ったところにあるため、川沿いに走る幹線道路(県道29号線)からは見えません。
その集落の中に隠れるかのごとく、非常にわかりにくい場所にアトリエSAKIがあります。

集落の住居は集落の中をくねくねと登る道に面する形で建っているのですが、アトリエSAKIは道の高さと同じではなく、道より下の位置に建っており、車に乗っていては見えません。
ガードレールに備え付けた小さな看板があるところから下を覗きこむことで姿を見ることができます。
 
アトリエSAKIの看板
 
10段ほどの階段を下りるとそこがアトリエSAKIです。庭に入ると今度は、集落の他の住居はほとんど見えず、安倍川の対岸の山々が目の前に広がるという不思議な空間になっています。
 
アトリエSAKIのテラスからの眺め
 
集落自体が外からは見えにくい、その集落の中に入っていっても見えにくい住居という、穴場中の穴場、何もここまで穴場でなくたっていいだろう、と言いたくなるような立地にあるのです。

建屋は古い平屋の農家住宅なのですが、前庭をテラスのようにしてあります。
山の中腹にあるため、視界をさえぎるものはなく、正面の山の連なりが清々と目の前に広がります。
そしてそのテラス的な庭には何種類ものバラの花が植えられています。四季咲きのバラなのでいつ訪れてもバラが見られます。
6月のバラの最盛期は、それはそれは華やかな庭になります。
 
アトリエSAKIの庭(5月) 庭に咲くバラ(6月)
 
アトリエSAKIは、母屋とかつて物置だった別棟からなります。
母屋には昔から使っていた囲炉裏があり、柿渋を染み込ませた和紙を壁紙にしたり、横山さんが集めたアンティークな家具、小道具が配置され、素敵なムードです。
別棟は現在レイアウト変更中で、そこに横山さんの作品やアンティークが並べられます。
 
囲炉裏とアンティークのある空間

庭と山を眺めるテーブル
 

テラスで花と風景を楽しみ、母屋でお茶をいただき、別棟で手作り雑貨を見る、そんな感じですごせます。
 
古布で作られたバラ 横山さんの手作り雑貨
 
風景と雑貨の双方を楽しめる施設は保養地や観光地に行けばよくあるものですが、周囲の雰囲気がそれように「作られた感」がどうしてもにじみ出てしまいます。ところがここは農村の中。当然ながら作られた感じはありません。それなのに洗練されたセンスを感じる意外さがあります。

横山さんはここで日々創作活動をしています。中山間地での魅力的な暮らし方を実践なさっているのです。
街中に住むお友達の作家の方々もここの気持ち良さを知っていて、よく遊びにくるようです。
横山さんはクラフトマーケットなどで手作り雑貨を売っており、ここで買うこともできるのですが、いかんせん存在が穴場すぎて(笑)知られておりません。
年配の女性ゆえ、PCは使っておらず、ネット上にはアトリエSAKIの情報はほとんどありません。
ここまで紹介しているのはこの記事がはじめてでしょう。

横山さんは外出することが多いため、アトリエSAKIは不定休のようになっております。
営業日についてはあらかじめ電話でご確認ください。
電話番号は090-8732-7639です。
住所:静岡県静岡市葵区中平70